宇宙利用のいま
  • 2023.05.31 Wed

地球低軌道をテクノロジーの試験場に|MISSE(ミッシー)の利用事例

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新開発の紫外線(UV)検出器を、宇宙環境で検証し、リモートセンシングのアプリケーションとして製品化した企業の事例です。(画像はイメージです)

目次
過酷な環境でも動作する紫外線(UV)検出器の検証

米国アーカンソー州に本社を置くOzark Integrated Circuits, Inc.(Ozark IC社)は、過酷な環境でも動作する紫外線(UV)検出器を開発しました。
彼らが開発したUV検出器には、UV eXtreme Node(UV XNode™)と呼ばれるシステムが組み込まれています。UV XNode™は高い応答性を特徴とし、現在のUV検出器で標準装備されている信号増幅が不要になるため、コストの大幅な削減に寄与する技術です。海洋での油流出事故の検出や遠隔地での火災の早期発見など、リモートセンシングの分野で有益かつ費用対効果の高いUV検出システムとして活用が期待されています。ただし、リモートセンシングのアプリケーションとして活用するためには、過酷な宇宙環境でUV XNode™を検証する必要がありました。

MISSE(ミッシー)上で材料サンプルが宇宙空間に展開されている様子
© NASA
選ばれた試験場は、地上400km上空の地球低軌道環境

そこで彼らが試験場として選んだのが、地球低軌道を周回する国際宇宙ステーション(ISS)の船外に設置される、耐久性試験のプラットフォームMISSE(ミッシー)でした。MISSEがある地球低軌道環境は、昼夜の極端な温度差、フィルター処理されていないUV放射、電離放射、および非常に反応性の高い原子状酸素への曝露という非常に過酷な環境です。
2018年末から2020年初頭にかけて、彼らはこのMISSEにUV XNode™を1年間設置し検証を続け、その結果UV XNode™ は宇宙でも地球上とまったく同じように動作することを確認しました。地上では模擬が困難な、過酷な環境で検証を行い、信頼性の高い製品開発を実現した事例です。
MISSEについて詳しくはこちら

Source: Extreme Electronics: LEO as the Ultimate Technology Proving Ground(英語サイト)

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